話題のオートファジー

公開日:  最終更新日:2016/11/08

とことで、2016年のノーベル生理学・医学賞を、東京工業大学の大隅良典名誉教授が受賞されましたね。受賞理由は「オートファジーの仕組みの解明」。
「オートファジー」という言葉は聞きなれませんね(`・ω・)
一般には馴染みが薄い「オートファジー」について、今回解説します。

オートファジーとは、ギリシャ語の「自分(オート)」と「食べる(ファジー)」を組み合わせたもので、「自食」を意味しています。そして、この自食が行われている場所は、私たちの細胞の中なのですヽ(`・ω・´)ノ

「自食」と言っても、タコが自分の足を食べるような、自身の細胞を丸ごと食べてしまうようなものではありません。正確には、細胞が細胞内の一部を分解する(=食べる)行為を示すものです。細胞が自分を食べるというと何となく野蛮な感じを受けるかもしれませ。
自食は生命が生きていく上で、重要な枠割を担っていることが明らかになってきました。

オートファジーで食べるのは主にタンパク質です。
まず、重要な栄養素であるタンパク質の知られざる働きについて、簡単に解説したいと思います(´・ω・`)

私たちの身体は、水を除くと約7割はタンパク質で構成されております。
そしてヒトが生きていく上で、欠かすことができない働きをしているのもタンパク質です。例えば、酸素を運ぶ「ヘモグロビン」、食物を分解する「消化酵素」、免疫をつかさどる「抗体」は全てタンパク質です。その他、筋肉を動かす働きやDNAを合成する働きなど、生きていくのに必要なほぼすべての場面にタンパク質が関与していると言っても過言ではありません。

このタンパク質にも当然ながら寿命があります。タンパク質の種類によって寿命は異なりますが、早いと数分、遅くても数カ月。しかし、この不要になったタンパク質、不要になったからといって無駄に捨てられることはありません|д゚)

私たちの身体を維持していくには、理論上毎日約300gのタンパク質が必要とされています。かなりの量になりますね(`・ω・)しかし、実際に食事で摂取しているタンパク質はおおよそ80gと300gと比べかなり少ない量です。

ではどのようにして不足している220gものタンパク質を補っているのでしょうか。
それはオートファジーによってリサイクルされたタンパク質を利用しているのです。オートファジーで細胞内のタンパク質を食べてアミノ酸に分解し、アミノ酸から必要なタンパク質を作り出しています。不足するタンパク質は、細胞内でリサイクルして補われているという巧妙な仕組みが明らかになったのです。

タンパク質を作り出すだけではなく、オートファジーは細胞内の掃除屋としても重要です。腸の上皮細胞の寿命は3~5日で寿命が尽き、便で排出されてしまえば終わる短い付き合いの細胞ですが、脳などの神経細胞はほぼ一生付き合っていく必要があります。

細胞内ではタンパク質などが常に合成されていますが、出来損ないのものも存在しゴミとして蓄積されます。ゴミは定期的に掃除をしていかないといけません。そうしなければ細胞内がゴミだらけになってしまいます。細胞内にはオートファジーとユビキチン・プロテアーム系という二大分解系が存在し、定期的に細胞内を掃除をしてくれるという仕組みも備わっているのです(`・ω・)

何らかの原因によりオートファジーによる掃除が不十分になると、異常な形をしたタンパク質が細胞内に蓄積されていきます。このゴミの蓄積が、アルツハイマー病などの神経系の病気を引き起こしている原因とも考えられています(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

目の水晶体のタンパク質も一生同じものを使用するため、長い年月を経ると、「クリスタリン」というタンパク質の形がゆで卵のように凝集して白内障になっていきます。細胞は年をとると機能が低下していくことは避けられません。白内障は長生きしたために起こる宿命的な病気とも考えられます。

オートファジーは細胞内のリサイクル作用だけでなく、細胞内細菌の除去にも重要な働きをしているとことも明らかになってきています。炎症性腸疾患であるクローン病も免疫系の異常が関係していると考えられ、オートファジーとクローン病の関係も研究されているそうです。

また、オートファジーと腫瘍の関係も明らかになってきています。オートファジーが抑制された状態が長期間続くと腫瘍が発生しやすいとされます。逆にできてしまった細胞に関してはオートファジーが腫瘍の増殖を助けていると考えられており、オートファジーと腫瘍の関係を解明しようとする研究も行われています。

絶食状態はある期間続けると身体がオートファジーをして、
デトックス効果があるなんてお話も聞いておりますヽ(`・ω・´)ノ
今後もこのオートファジー作用についての情報を発信したいと思います。

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